Last update: 2016/06/22 11:37:45 AM

研究概要

Overview

 

 

私たちは大気圏の底で暮らしています。大気圏のエネルギーと物質の循環は、惑星の環境形成の要であり、生命圏の成立を左右します。当研究室では、惑星探査と理論研究を両輪として、惑星大気の物理学を中心に惑星環境形成のメカニズムを追求しています。

 

惑星ごとに異なる大気循環の姿

 

 大気の流体としてのダイナミックな振る舞い、開放系としての宇宙空間・惑星内部との物質交換、それらの帰結としての動的平衡が、私たちの世界観です。金星探査機「あかつき」は、大気中の巨大な波や渦の時間変化を赤外線や紫外線のリモートセンシングで追いかけて、時速400 kmの高速大気循環がなぜ生じるのか、金星全体をおおう硫酸の雲がどう作られるのかを調べています。検討中の火星探査では、水が凝結と蒸発を繰り返しながら大気と地面の間で循環するしくみや、細かな塵が地面から巻き上げられて濁った大気が生じるしくみを調べる計画です。当研究室ではまた、探査機と地上局を結ぶ電波を使う電波掩蔽という観測で、惑星大気の、さらには太陽の外層大気の波動や乱流をとらえ、大気の加熱や加速のしくみを調べています。このような探査に加え、数値シミュレーションで惑星大気の変動と構造形成を再現して、それらの天体がいま私たちが見るような姿でなくてはならない必然性を理解します。

 

img

電波掩蔽観測

 

惑星の大気科学、環境科学は、いまや太陽系外の惑星も射程に入れ、宇宙における生命存在可能性が中心テーマとなりつつあります。惑星科学、気象学、天文学の融合に未来があります。探査と物理理論を武器にそのようなサイエンスを切り拓きたい皆さんを、歓迎します。

 

img

火星で対流により波動が励起される数値シミュレーション