惑星電離圏の電波掩蔽データ解析の新手法
当研究室に滞在中の Keshav R. Tripathi博士が、惑星の電離圏の電波掩蔽観測のための新たな解析手法を発表しました。電波掩蔽とは、宇宙機と地球上の受信局を結ぶ電波がその伝播径路上で惑星大気などを通過するイベントを利用して、受信した電波の周波数変動から大気の構造を探るものです。電波掩蔽観測においては通常、電波経路が惑星に最近接する近傍では大気が惑星中心に対して球対称であると仮定して周波数データを解析します。しかしそれでは、昼夜で電離大気密度が大きく異なる電離圏に対しては問題が生じます。Tripathi博士はこのような昼夜非対称を考慮した新たな解析手法を考案し、惑星電離圏観測の精度向上に道を拓きました。
