火星極域の大気重力波
卒業生の櫻井龍太郎さんが修士課程で取り組んだ、火星の極域大気における大気重力波の研究が、論文として出版されました。これは、米国の火星周回機Mars Global Surveyorが実施した電波掩蔽観測のデータを、観測当時には存在しなかった電波ホログラフィという新たな手法で解析し、これまでにない高い高度分解能で気温分布を求め、大気重力波という流体波動について調べたものです。この研究により、鉛直波長1〜3km程度の大気重力波がおそらくは山岳波として励起され、それらの波が対流不安定な領域を作り出して砕波していることを明らかにしました。火星の極域大気における水や二酸化炭素大気の凝結をともなう物質循環の解明につながる成果です。