金星の大気重力波の飽和

卒業生である森亮太さんの修士課程の研究成果がJournal of Geophysical Researchに掲載されました。この研究は、「あかつき」と欧州のVenus Expressという2機の金星探査機による電波掩蔽観測で得られた金星大気の温度データを用いて、大気重力波という小規模な流体波動がどのような波長や振幅を持ちどのように空間分布するのかを調べ、非線形過程により振幅が上限値に抑えられる(飽和する)メカニズムを追求したものです。様々な波長の重力波が重なり合うことによって大気中に不安定領域が生じて波が壊れることや、背景大気温度の高度方向の勾配に応じて振幅が調整されていることなど、金星の重力波の基本的な性質が明らかとなりました。