惑星の岩塊をAIで読み解く
近年、探査機によって得られる小惑星の高解像度画像が急増しています。これまでは人の目による分析が主流でしたが、膨大なデータを一枚ずつ確認するのは非常に時間がかかります。この課題に対して、本研究では「基盤モデル」と呼ばれる先端のAI技術を使って、小惑星の岩塊(ボルダー)を自動で検出・分類する仕組みの開発を目指しています。
具体的には、リュウグウやベヌーといった小惑星の表面画像を使い、機械学習モデルに岩塊の位置や形を学ばせることで、これまで人手では難しかった広範囲の岩塊分布の統計的比較を可能にします。このモデルは少ない学習データでも複数の天体に応用できる設計で、惑星探査の新たなツールとなることが期待されています。
・惑星表面の岩塊をAIが自動で検出
・異なる小惑星間の地形差を統計的に比較
・目視に頼らず、研究のスピードと精度を両立
下図:研究の概要図: