本研究室の卒業生による彗星の論文が出版されました
2022年度吉岡和夫研究室卒業生の鈴木雄大さん(現JAXA宇宙科学研究所PD)、吉岡和夫准教授、吉川一朗教授らが執筆した彗星由来の水素に関する論文が出版されました。彗星は地球の水の起源の候補の一つであり、その理解は地球進化史を知るうえで重要です。彗星の核からは水が放出しており、それが解離して生成した水素の観測は、彗星活動を把握するための有用な手段です。鈴木さんは「多重散乱」という物理過程を含んだ、水素から発せられる紫外線の放射伝達モデルを構築し、吉川・吉岡研究室が中心となって開発した紫外線宇宙望遠鏡「ひさき」の彗星観測結果を見事に再現できることを示しました。また吉岡研究室が主導して開発しているComet Interceptorミッションの水素観測器がどのような観測をしうるか、本研究のモデルによって検証しました。
【論文情報】
Y. Suzuki, K. Yoshioka, K. Masunaga, H. Kawakita, Y. Shinnaka, G. Murakami, T. Kimura, F. Tsuchiya, A. Yamazaki, I. Yoshikawa. 2025. Contribution of multiple scattering to the Lyman alpha radiance distribution in cometary comae. Icarus, 441, 116720. doi: 10.1016/j.icarus.2025.116720

